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賞金総額『500万円』、エントリー費『2万円』と発表され、そのケタ違いと言えるスケールの大きさに今ストリートダンスシーンで話題沸騰となっているバトルイベント、”STREET KINGS”
その “STREET KINGS” のプロデューサーであるハウサーの「HIRO」に、マシーン原田氏が緊急対談を実施!イベントコンセプトや、バトルのシステム、賞金についてなど、この前代未聞のバトルイベントの真意について語られたこの対談!バトラーはもちろんストリートダンサーは必読だ!

 

本文中
MACHINE…M
HIRO…H

M STREET KINGSを先日発表してダンス界では今かなりの話題になってるね。まずコンセプトなんかを聞きたいところだけど、話しが長くなると最後迄読んでもらえないかもしれないのでダンサーの一番気になるところから聞いていきます。そこからコンセプトも見えてくると思うしね。
まずは賞金総額『500万円』というとダンスシーンでは常識破りな賞金額ですがこの額に至った経緯を教えてください。

H はい。総額で考えると『500万円』なんですけど、一番は今迄のバトルだと優勝者にしか賞金が行かない、もしくは殆どが優勝者に授与されるというものが多いので、自分的には本気でバトルに出てくるのに1位だけが賞金があるのはどうかな?と思っていて出来ればBEST 16くらい迄は賞金が取れるようにしたいと思ってました。そのパーセンテージなんかを考えた結果、ひとまずキリのいい500万円というのを想定してやってみよう、ということになりました。

M なるほど、まあゴルフとかテニスだと通常の形式だと思うけど、そういうプロスポーツのシステムは参考にしたのかな?

H そうですね。スポーツプレイヤーの業の立て方というのもモチーフにさせてもらいました。

M 賞金総額500万円というのも驚きだけど、エントリー料2万円というのが一番驚いたね。これは今迄のダンスシーンには全く無かった設定ですがよくこの値段設定をしたね。この設定の理由を教えて。

H スポーツの世界ではプロの協会があってそのプロライセンスの為のお金を払っているわけです。今回エントリーの額を常識的なバトル参加費の10倍くらいに設定しましたが、エントリー費を高くすることで、協会という形は作らないんですけど、一回に懸ける真剣さというか、そこに対する意気込みが本気になってくれるかなという思いがあって思い切って勝負に出ました。

M これは正直、乗るか反るかの凄い賭けと思うね。いわゆる協会に支払うライセンスフィーではなく、単独イベントでこれを設定したのは凄い賭けだと思うけど、その辺りは「行ける」という手応えがある程度はあったから発信したのかな?

H 手応えは・・・ハイリスク、ハイリターンという考え方です。

M まあヒロ的に言うとこれくらい振り切った事をしないと新しいものは生み出せないという考えかな?

H そうですね。実際にその金額をみんなが払ったとしても、賞金総額には全然届かないので実際にイベントとしては成り立たないです。

M そうやね。エントリーは100人限定なので、100人集まっても200万円、賞金総額500万には全然届かないね。

H 今回LDH DANCER’S PRIDEが主催になって、これからのストリートダンサーの未来や新たなシーンの創成ということに力を貸して頂く形でこれを実現出来る事になったので是非皆にはこのチャンスを生かして欲しいな、と思います。

M カテゴリー分けなしのフリースタイル。かかる音楽は「SLOW」「FAST」の2カテゴリー。使用音源はすべてこのバトルの為のオリジナル楽曲。という実際に出るダンサーとすればここが一番気になるところだと思います。この辺りを詳しく説明しとかないとなかなか2万円払って参加しようとは思わないと思うので教えて下さい。

H これは従来のダンスのスタイルによるカテゴリー分けではなくて、あくまでも音楽に対するアプローチということで、どちらかと言うと本当の意味でのフリースタイルに近い感覚なんですけど。やっぱりビートの早さや打ち込み方の違いによって適している踊りというのはあると思うんで、それを公平にみんなの為に挑戦出来るスタイルを考えた時に、「早さ」で2種類に区切ってみようと思いました。予選ももちろん2種類の曲で2回踊ってもらいます。

M なるほど。では「SLOW」「FAST」だけど曲調としてはHIP HOPやHOUSEやFUNKや・・・といろいろあるって言う理解でいいよね?

H そうですね。BPMで言うと「SLOW」は85~110くらいが目安で、「FAST」は110~130という感じで区分します。

M 110がポイントだね。では110はどっちなの? 110の「SLOW」をかけたら、「FAST」は130くらいをかけるということかな?

H そうですね。

M LDHは既存で沢山の楽曲を持っていますがその音源では無く、このバトルの為に作った音源をかけるということかな?

H そうですね。沢山のトラックメーカーやダンサーのトラックメーカーや海外のトラックメーカーだったりに発注をしてこのバトルの為に新たに作っています。

M 最初はその楽曲が世の中に出ている訳ではないからバトルに出るダンサーはその場で初めて聞いて踊る事になる感じ?


H いえ。出るダンサーの人達には事前に使用する全楽曲を聞けるようにしようとしています。

M なるほど。試聴が出来るようにするのね。

H ラップバトルでいう寸前にトラックを一回聞かせる、と言う感じでダンサーにはフル尺ではないですけども、どういう質感の楽曲があるのか一通り聞けるようにします。ただ、実際に踊る時にどの曲がかかるかはもちろん解りません。だから本気の人は全曲聞き込んで予習が出来るようになってます。

M 審査方法のカテゴリー分けも新しい要素や工夫が盛り込まれてますがこの項目についてわかりやすく教えて下さい。

H 従来のB-BOYのシーンで審査基準になっているものに近いんですけど、考え方はダンサーに必要な基礎能力や基本の技術(FOUNDATION)、難易度(DYNAMICS)、完成度(PERFECTION)、この3つを本来のダンサーのクオリティの部分で見たいな、と思ってます。そしてORIGINALITY、BATTLE、MUSICALITYに関しては上手い下手ではなくその時のバトルの中での発想力とか対応力とかバトルの進め方だったり、その時の状況に応じた事で結果が変わって来ると思うので、僕的には普段の練習から身に付く基礎的な技術の部分と、その場の対応力という部分で見れるようにしたいなと思ってます。
ただ、やっぱりダンスである以上、基本が大切だと思うので、明らかにダンスの能力が高く見えるには基礎能力が重要なので、FOUNDATIONだけは2ポイントが加算されるようになってます(あとの項目は1ポイント)。
でも実際にこれがちゃんと機能するかどうかは解らないので、ある意味挑戦的な部分でもあるんですが、各ジャッジが各項目をどっちに上げたかというのは解るようにしようと思っています。そうすると見ている人も勝ち負けの判断をする時に見ている人もその観点で見れるかなと思うんです。

M ジャッジはドローにしてもいいの?

H いえ、ドローは無しでお願いします。

M 瞬時に6項目について判断しないといけないのはジャッジは大変そうだね。

H 即座に出すと言うよりは、少しだけ時間を設けます。そこはフィギュアスケートの判定に近い形で一瞬噛み砕いてもらって結果を出してもらう様な感じになります。

M では「18歳以上」にした意図を教えて。

H 賞金額も大きくて、自分で2万円を懸けて夢を掴みに行くと言う意味では自分の意思で出て欲しいと思うので18歳を区切りにしました。実際に今の18歳~20歳の世代に素晴らしい才能を持ったダンサーも多いですし、選挙権も18歳になった事なのでそこも加味しました。
でもこのチャンスは僕らの同年代であったり、先輩であったり、若い世代であったり、全ての世代のダンサーを目指している人達に道を開きたいと思ったので沢山の年代の人に出てもらいたいと思ってます。

M これを聞いていいのかな?こんなに凄いプロジェクトなのに何故、開催3週間前という発表になったのか?

H やるからには沢山の人に知ってもらいたいと言うのがあって、放映すると言う形で、現場に来る人だけが見れるものというところから拡げたいと思っていました。今回Abema TVで生中継して頂くことが決定したり、オリジナル楽曲にすることによって音楽の著作権管理だったりという部分の調整がかなり必要だったので決定する前に時間を要してしまったんですけど、あくまでも今回はVOL.0という名前にさせてもらっていて、僕たちも試作段階という状態なので、次回からのVOL.1以降にこの経験を踏まえて本格的に始動するというところに持って行きたいと思っています。その為に試行錯誤していて時間がかかってしまいました。

M なるほど。もの凄くいいプロジェクトなのに普通のイベントに参加する感覚で言うと、ちょっと「出る」となりにくいと思うね。ただでさえ保守的な日本人に対してリスクが高すぎる気がするけど、これをどう成功させて行くかという部分も僕は見ものですね。

H そうですね。僕も見ものです。僕らの力ではどうにもならないので皆にどう思ってもらえるかというところしかないですね。でも今迄色々とイベントをさせてもらってますが、早く告知をしてもギリギリで告知をしても、そのコンテンツに参加する人数はそんなに変わらないという経験もあるんですね。例えば「ストリートファイターズ」なんかは4ヶ月位前から告知をしたんですが、クルーが思ったように集まらなかったんですね。それはニーズであったり、ある意味「運」だと思っているので、今回はみんなに高いエントリー費を払ってもらうのでやる事自体が賭けです。
当日はAbema TVで生中継をしますし、観覧は無料にするので是非とも見て頂きたいです。

M 観覧無料なの?? 凄い事やるね~。でもぶっちゃけあんまりやって欲しくないね(笑)。


H もちろんその資金を用意するのは大変ですし、それ以上になんの為にそれをやるの?ってやっぱりみんな思うと思います。でもLDH DANCER’S PRIDEとして本気でストリートダンサーの活動を応援したい、新たな道を開く手助けをしたいと言うかキッカケをつくりたいと本気で思っているので、ある意味、僕らのこのプロジェクトの規模感を見て、僕らも本気で思っているということを理解して欲しいと思います。

M 発表したばかりなのでまだそれほど集まっていないと思いますが、どんなダンサーが集まって来ると思いますか?

H まあ日本の中で本気で勝ちに来る、経験のあるダンサーはもちろんですし、海外からこの賞金を目指して来るという話しも聞いてるのでかなりレベルの高い内容になると思います。

M 僕的にはせっかく18歳以上なので18~25歳くらいの若手層がどんどん出てきて活躍すれば未来のシーン的にも意味は大きいと思うね。

H はい、僕もその層には期待しています。普段のバトルでも上の世代に立ち向かって勝ち上がって行く若い世代がこれからを支えていくと思いますし、今回経験のあるダンサーの凄さと若いパワーのぶつかりあいは起きて欲しいなと思っています。期待しています。

M まあ結構コンセプト部分も出てきたけど、まだ言ってない部分を教えて下さい。

H 一番は僕も含めて、ストリートダンサーがインストラクターという形、バックダンサーという形以外で、職業という形で認識されるのはやっぱり厳しい状況だと思うんですね。日本の恵まれてるストリートダンスシーンの中にいても実際に自分の技術を高めて、それに対する対価で業を立てて行ける様な状況は作れていないと思うので、このSTREET KINGSはダンサーをある意味アスリートとして捉えていけるようなモノになってくれるといいかなと思って「競技」として位置づけようと思ってます。ただ、バトルのルールだったり、ダンスの形をスポーツ競技として捉える事はしたくないので、あくまでも仕組みの部分をスポーツからモチーフを頂いてダンサーをダンサーのままで認知を高めて次のダンサーの形を世間に提示したいと思っています。

M 賞金が高い、という部分だけでなく、こういう大会で活躍しているダンサーがもっと違うフィールドでも活躍出来て行く一つの指針を作りたいということですね?

H そうですね。バトルだから審査員は必要になるわけですし、中継を基準に考えたら解説や実況をする人であったり、コーチだったり、トラックメーカーになるとかダンスをするだけでない違う形が生まれてくる訳ですし、そういう多方面への進化というか拡がりが提示出来ないかなと思ってます。

M ヒロはこのバトルに出ないの?

H 今回は一回目なのでジャッジをさせていただきます。

M 今後出ようというのはないの?ヒロと言えば賞金稼ぎというかバトル荒らしというイメージなので本人が一番出たいのじゃないかなと思うんだけど。

H もちろん出たいです。許してもらえるなら(笑)。

M あぁそれを聞けてよかった。そういう熱い部分をもってないとね。自分が本当に出たいイベントを作るというのは凄く大事だからね。まあ実際には出ない方がいいと思うけど(笑)。今日は興味深い話しを色々と聞けてよかったです。8月14日期待しています。

H ありがとうございました。


詳細はこちら
http://www.dancers-pride.jp/streetkings/