2016年3月20日（日）@藤井寺市民総合会館パープルホール大ホール

高校ストリートダンス選手権最終予選となる第三回大会に関西を中心に39チームがエントリー。決勝大会出場最後の「10枠」を巡って気迫みなぎるダンスの連続となり盛り上がりを見せた。

全体的に「構成力」を重視したチームが多く見られたが、中には「KRUMP」や「VOGUE」などのコアなジャンルでチャレンジするチームもあり、ジャンルや方向性の多様化を感じさせた。

そんな中、見事決勝進出を決めたのは以下の10チーム。「KMDC」は、33人という大人数で見せる構成力とユニゾン性に特化したパフォーマンスを展開。「らりま」は、この大会の中では珍しくダンス性重視でリラックス感のあるハウスをフィーリング豊かに踊りあげ、他のチームとの違いを見せた。「Bomb Crew」は、流行のヒップホップを取り入れ迫力のダンスを披露。男性メンバーによるパワーのアクセントが印象的。「魅蘭女」は衣装変化を起点にしたムードの変化で前後半で違った世界を表現。「DARS」は、前半はポップ後半はロックというシンプルな展開で、一体感のあるエネルギッシュなダンスを披露。「Hydrogen」は、ロックを超パワフルに表現。終始エナジーを切らさない怒涛のダンスを展開。「BUSTA@PIECE」は、切れ味鋭いダンスで随所に見せ場を展開。緩急を活かした一体感のあるヒップホップを見せた。赤と黒のコントラストの効いた衣装も印象的。「N9SD CREW」は、ほぼ1曲使いで作品を構成。個々のスキルの高さを活かしたエッジの効いたダンスを披露した。「BOND☆CREW」は、終始ハイパッションでパワフルなロックを展開。中盤での衣装チェンジ以降のハッピー感溢れるダンスが印象的。「WDC」は、シンプルかつクラシックなヒップホップトラックを使用し、シンプルで身体を大きく使ったパワフルなダンスを披露した。

これで決勝進出の全30チームが決定！次はいよいよ決勝戦！4/29（金）
「HIGH SCHOOL STREET DANCE CHAMPIONSHIP -高校ストリートダンス選手権-決勝大会」に乞うご期待！

JUDGE’S COMMENT

CGEO
FRESHな表情で踊っていたのが印象的で、ハッピーな気持ちになりました。気になったのは曲の編集についてですね。曲と曲のつなぎ目の変な間だったり、曲と曲の音量の差だったり、音量を上げすぎて音が割れていたり、曲の最後をディレイかけているのがプツッと途中で切れたり、といった部分があると、見ていて覚めてしまうので、極力細心の注意をはらって編集して欲しいと思います。あと、構成を重視しすぎてリズムやニュアンスが不足しているように感じました。入賞した「らりま」は、自分の中では一番でした。他のチームが構成力で攻めてきている中、ダンス力で勝負していて、個々のフィーリングがしっかり出ていて見ていて自然に首でリズムを取ってしまうくらいでした。「DARS」は高校生らしいエネルギッシュなダンスで良かったですね。「BOND☆CREW」は、見ていてハッピーになるようなエナジー溢れるダンスでした。個々のスキルをもっと高めていけたら良くなると思います。入賞以外では「ソナム」は衣装も世界観に合っていたし、揃ってもいたし良かったんですが、もう一押しが欲しかったですね。惜しかったです。

HAL
予想以上にレベルが高くて、色んなモノを吸収しているんだなと感心しました。作品構成が似ているチームが多かったので、そういった部分でもっと違いを出せたら全体的にもう一つレベルアップすると思います。入賞した「KMDC」凄く揃っていて、構成も流れも良かったんですが、ノリやグルーヴといった要素ももっと取り入れて欲しいですね。「魅蘭女」は自分達で作っているからこそ自分達の踊りやすい振りで感じたままに踊っているのが良かったですね。「BUSTA@PIECE」は、構成が良くて個々のスキルもしっかりしていて見ていてワクワクしました。入賞以外では「19HeartS」はWAACKでラインを意識した振りではあったのですが、移動中の猫背が気になりましたね。

AYUMI
構成等、凄いアイデアを体現しているチームがあり面白かった反面、ダンス感が不足しているチームが多いかなと感じました。LOCKのチームが多かったんですが、どのチームも同じような感じに見えてしまったので、もう少し個性的な見せ方をした方がいいかなと思いました。入賞した「Bomb Crew」は、作品の内容はかっこいいなと思いました。曲も自分達に合った曲を使っているように感じたんですが、もっとパワーを出せていたら更に良かったでしょうね。「WDC」は、技術的に飛び抜けていたわけではないんですが、無理なくシンプルなダンスが見ていて好感が持てました。入賞以外では「Blow」は凄く揃ってはいたんですが、ダンス感の部分をもっと表現できれば結果に繋がってくると思います。

YU-ICHIRO
際立って見えたチームは、自分達の強みをしっかり形にできていたんだと思います。構成だったりダンスのグルーヴだったりシンプルでも見せ切る部分だったり、自分達の良さを客観的に分析できて分かっているチームが勝ち上がったのではないでしょうか。ロックチームに関しては似ているチームが多かったです、もっとシンプルに魅せるチームがもっとあってもいいかなと思いました。入賞した「Hydrogen」はロックの良さがシンプルに出ていたと思います。もう少しソロがあってもいいかなと思いました。「N9SD CREW」はシンプルな作品で見やすかったですね。ユニゾンのシンクロ性重視のチームが多い中、個々のダンスや色んな見せ方が出来ていて良かったですね。入賞以外では「vingt couleur」は構成重視ではあったんですが、ダンス的な部分も感じることが出来たので印象に残っています。